井の頭公園の池がますます緑色になり、宇治茶の池のようになった。
その池で作業をする人たちを見て、妻を散歩に誘った。
いた。
何やら網を引き上げて、たらいに移している。
おじさんばかりかと思いきや、女性の方が多いのに気づく。
彼らは「かいぼり隊」と呼ばれるボランティアの人たちだ。
井の頭池の環境保全のために、池の全域にワナを設置し週2回中身を確認する作業をしているらしい。
特に、池の中に再生した水草を外来種のアメリカザリガニが食べてしまうのを防ぐ目的があるようだ。
彼らはこんな浮き輪のようなものに乗って作業している。ちょっと楽しそうだ。
池に沈めた網を一つ一つ引き上げ、中身を確認、たらいの中に移していく。地道な作業だ。
池のほとりでは別のグループが成果を確認していた。
ナマズは在来魚、なので問題なし。
コイは日本の魚だが、本来井の頭池には生息していないため外来魚の扱いになるという。誰かが池に捨てたのだろうと言う。
彼らは、井の頭池を再生させようと「かいぼり」と言う事業を続けている。冬場に池の水を抜き、外来生物の駆除と水質改善に取り組んでいるのだ。
目指すは高度成長前1960年代の井の頭池の復活だ。
緑の水は、植物プランクトンの大量発生が原因。かいぼりには、こうしたことを予防し、澄んだ水を保つ効果も期待されている。
道まだ半ばだ。
夏の終わりの井の頭公園。ゆく夏を惜しむかのように、蝉しぐれが頭上の木々にこだましていた。
カメラを動画モードに切り替え、そんな蝉たちの声を撮ってみた。
今年の夏も、残りわずかだ。