今月の帰省のお供にと、松尾芭蕉の『おくのほそ道』について勉強しようと一冊の本を図書館で借りた。 長谷川櫂著『松尾芭蕉 おくのほそ道』。 NHKの番組「100分で名著」ブックスの一冊で、著者の長谷川櫂さんは読売新聞の記者か…
カテゴリー: 文学
<吉祥寺残日録>きちシネ🎬 祝!アカデミー賞受賞!「ドライブ・マイ・カー」(2021年/日本映画) #220328
世界の賞レースを総なめにした濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」が、アカデミー賞の国際長編映画賞を受賞した。 日本映画のアカデミー賞受賞は2009年の『おくりびと』以来13年ぶりの快挙だ。 惜しくも受賞は逃したものの、…
<吉祥寺残日録>【百年前⏩1931-1945】「桜桃忌」に読む太宰治が書き残した戦前・戦中・戦後 #210619
今日6月19日は作家・太宰治を偲ぶ「桜桃忌」である。 吉祥寺からほど近い禅林寺にある太宰の墓を今も多くの人が詣でるのだという。 私も禅林寺を覗いてみようかとも考えたが、先日太宰の墓を確認したばかりだし、わざわざ人が多い日…
<吉祥寺残日録>自転車に乗って🚲 没後73年・・・玉川上水で心中した太宰治「最期の地」三鷹を回る #210613
日本の敗戦から3年、昭和23年6月13日の深夜、作家・太宰治は愛人だった山崎富栄と二人で近くを流れる玉川上水へ身を投げた。 あれから今日で73年となる。 あまりに有名な話なので、小説を読まない私でも三鷹駅の近くを通る時に…
<吉祥寺残日録>青空朗読で太宰治の短編を年代順に聴く #210609
昨日の朝は、快晴だった。 と言っても、空はモヤがかかったように薄ぼんやりして、南からやってきたムッとした熱気が夏を感じさせる。 そんなぼんやりとした青空の下、私は久しぶりに「青空朗読」を聴くことにした。 著作権切れの昔の…
<吉祥寺残日録>吉祥寺図書館📕 「ザ・太宰治 上・下」(2006年/第三書館)から「ヴィヨンの妻」 #210606
私はほとんど小説というものを読まない。 若い頃はポツポツと読んでいた時期もあるが、心の底から好きだと思う小説にはほとんど出会わないまま、ここまで生きてきた。 でも、小説というものに全く興味がないわけでもないのだろう。 我…
<吉祥寺残日録>自転車に乗って🚲 スペイン風邪にも物申した歌人・与謝野晶子の旧居跡は荻窪、お墓は多摩霊園にあった #210529
もはや緊急事態宣言が延長されても、何も感じなくなった。 吉祥寺の人流を見ていれば、急速に感染者が減ることはありえないと前々から予測していた。 これは政府だけでなく日本人一人一人の責任であり、ただただ、真面目に休業要請に応…
<吉祥寺残日録>トイレの歳時記🌸七十二候「牡丹華(ぼたんはなさく)」に「ツツジ」と「サツキ」と永井荷風を知る #210430
早いもので4月も今日で終わる。 「ステイホーム」が呼びかけられるゴールデンウィークだが、羽田空港の映像からはかなりの人が移動していることがわかる。 昨日の東京の新規感染者は1000人を超えたが、この首都圏の感染が全国に広…
<吉祥寺残日録>トイレの歳時記🌸七十二候「虹始見(にじはじめてあらわる)」に知る鴨長明の「ひとりを愉しむ極意」 #210414
今日は「清明」の末候、七十二候の「虹始見(にじはじめてあらわる)」である。 「冬にはなかった虹が現れ始める頃」という意味だそうだ。 しかし、今日の天気は朝から雨・・・。 虹というよりも、来週に控える二十四節気の「穀雨」を…
<吉祥寺残日録>吉祥寺に「まん延防止措置」が発令された日、石川啄木の日記を読む #210413
昨日、全国一斉に高齢者に対するワクチン接種が始まった。 とはいえ、供給されるワクチンの量はごくわずかで、東京都では高齢者の人口が多い世田谷区と八王子市の65歳以上の高齢者に対する優先接種という形がとられた。 初回供給分は…
<吉祥寺残日録>森喜朗と半藤一利を比べて男の晩年を考える #210205
「失言王」森さんの面目躍如と言ってしまえばそれまでだが、またもややらかしてしまった。 『女性がたくさん入っている理事会は、理事会の会議は時間がかかります。これは、ラグビー協会、今までの倍時間がかかる。女性がなんと10人く…
<吉祥寺残日録>コロナ禍の成人の日、夏目漱石「三四郎」を聴く #210111
今日の東京は、雲に覆われ寒い1日になった。 朝からとにかく眠たい。 井の頭公園もすっかり冬景色、明日は雪が降るかもしれないという。 ベランダから外を眺めていると、七井橋の上にこんな人たちを見つけた。 晴れ着を着た新成人た…
<吉祥寺残日録>自転車に乗って🚲国木田独歩の「武蔵野」をめぐる #200929
今より三年前の夏のことであった。自分は或友と市中の寓居を出でて三崎町の停車場から境まで乗り、其処で下りて北へ真直に四五丁ゆくと櫻橋といふ小さな橋がある、それを渡ると一軒の掛茶屋がある、此茶屋の婆さんが自分に向て「今時分、…
<吉祥寺残日録>船戸与一著「満州国演義」全9巻を読了した #200922
シルバーウィークの4連休が終わった。 私はどこへも出かけずずっと家にいたのだが、最終日の今日のお昼にランチを買いに街まで出ると吉祥寺もすごい人出だった。 日本各地が、久しぶりに大賑わいだったという。 コロナの感染が若干下…
<吉祥寺残日録>@武蔵野…まずは、国木田独歩から #200920
会社を辞めてから、早いものでもう3ヶ月が経とうとしている。 この間、失業保険の手続きをしたり、白内障の手術をしたりしているうちに、知らぬ間に時間が経ってしまった。 新型コロナの影響で、旅行も自由には行けない状態がまだまだ…
<吉祥寺残日録>朗読で聴く「二十四の瞳」 #200629
最近、ラジオにはまっている。 ラジオと言っても、生放送を聴くのではなく、「らじるらじる」というスマホ向けアプリで聞き逃し再生を好きな時に楽しむのだ。 語学や教養など様々な番組が聴けるのだが、その中でもお気に入りは「朗読」…
<吉祥寺残日録>寺田寅彦が書き残した非常時の教訓 #200516
新型コロナと共存する「新たな日常」が少しずつ私たちの中に定着してきているように思える。 来週1週間、私は有給休暇を取ることにした。 緊急事態宣言が一部解除されるのを待っていたわけではないが、妻と一緒に来週岡山に行くことに…
<吉祥寺残日録>三好十郎「歩くこと」を聴く #200510
妻が、このところ毎日のように「あまり眠れなかった」と嘆く。 もう何ヶ月も右肩が痛くて、夜中に起きたり寝たりしていると言う。 「五十肩ならあと数ヶ月すれば楽になるだろう」と私は適当に応対しているのだが、「夜中に目が覚めたら…
<吉祥寺残日録>大恐慌後の日本で起きた事 #200419
緊急事態宣言が全国に拡大されて最初の日曜日。 今日は朝から抜けるような青空で、真っ白な富士山もよく見える。 一年でも最も気持ちの良い今日のような日には、コロナのことも忘れてしまいそうになる。 欧米では今も毎日多くの人が亡…
<吉祥寺図書館>船戸与一著「満州国演義① 風の払暁」(2007年/日本/新潮文庫)
年末に訪れた図書館で何気なく目についた。 私はどうも小説は苦手だ。だから、ほとんど読んでいない。 でも、「満州国演義」というタイトルに惹かれたのだろう。 船戸与一著「満州国演義① 風の払暁」。 この作品は、作家・船戸与一…
<頑張れテレビ>NHK-BSプレミアム「平成万葉集 第三回 この国に生きる」(再放送)
家に帰ってテレビをつけると、たまたまこの番組に遭遇した。 BSプレミアム「平成万葉集」。 平成から令和に変わった今年の4月から5月にかけて放送されたシリーズの再放送だった。 テレビをつけた瞬間、私の耳に飛び込んできた短歌…
<吉祥寺図書館>アーネスト・ヘミングウェイ著「武器よさらば 上・下」(1929年/アメリカ/光文社古典新訳文庫)
子供の頃から、読書が苦手だった。 本を読むスピードが遅かったので、途中で嫌になってしまったのです。それ以前に、読書に興味がなかったのだろう。 特に、小説は好きではなかった。 中学生になると映画が好きになり、活字ではなく映…
<きちたび>若狭湾の旅 2019〜福井・おおい町「ホテルうみんぴあ」と作家・水上勉の故郷愛
🔶「旅したい.com」から転載 <福井>【おおい町】「ホテルうみんぴあ」の絶景ジュニアスイートと作家・水上勉の故郷愛 🇯🇵福井/おおい町 2019年11月2~3日 旅行シーズンの11月の三連休。福井の旅行を思い立った時に…
<きちたび>福島の旅 2019〜霧の太平洋クラブ白河リゾートで「奥の細道」を読む
🔶「旅したい.com」から転載 <福島>60歳からの旅!霧の太平洋クラブ白河リゾートで「奥の細道」を読む 🇯🇵福島/白河 2019年6月 1泊2日 会社の親睦コンペのため福島に行きました。太平洋クラブ白河リゾートでの1泊…
<ぶらり駅散歩>千駄木駅から岡倉天心記念公園、須藤公園、森鴎外記念館を巡る
昼間の時間がぽっこり空いたので、谷根千エリアに行ってみることにした。 千代田線の千駄木駅からの駅散歩だ。 岡倉天心記念公園の黄金像 千駄木駅を降り、谷中銀座の入り口を横目に通り過ぎて、細い路地を進む。 目指すは、地図アプ…
<きちたび>妻の還暦を祝う旅⑤ 「お城とお庭と船遊び」松江は私好みの美しい街だった
それは小さな可愛い駅だった。 アール・デコ風のステンドグラスと照明。 一畑電車出雲大社前駅だ。 ここからローカル電車に乗って松江に向かう。 昔ながらの改札。昔の方が風情があったように感じてしまうのは、年をとったせいだろう…
<きちたび>小国の気持ち チェコの田舎町で、カレル・チャペックの生き様に触れる
それは本当に田舎のなんの変哲もない村だった。道に迷い、たまたま見つけた住民に話を聞いて、ようやく村はずれの駐車場にたどり着いた。 天気がどんよりしていたせいもあるが、湖に面したその土地はちょっと物寂しい印象だった。 ここ…
<吉祥寺グルメ>「ゆりあぺむぺる」の「チキンサラダプレート」&「スパゲッティ・ボロネーゼ」 @カフェ
三連休の中日。朝からひどく蒸し暑い。 朝、妻に起こされ久しぶりに公園を走った。妻は近頃、早朝に井の頭公園を散歩しているようだが、私はどうも早起きする元気が出ず、ゴロゴロと貴重な早朝のフレッシュな空気を吸う機会を失っていた…