コロナ禍で、行きたい所に自由に行けないことを逆手にとって、自分が暮らす地元に眼を向けてみようと考えている昨今・・・。
その一環として、「井の頭公園豆知識」というシリーズを始めようと思う。
テーマはずばり、吉祥寺のオアシスである「井の頭公園」を知ることだ。
そこで先日、図書館でこんな本を借りてきた。
井の頭公園検定公式問題解説集「いのけん」。
「いのけん」とは、「象のはな子」がいた「井の頭自然文化園」の開園70周年に当たる2012年に始まり、井の頭恩賜公園開園100周年を祝った2017年まで、6回にわたって行われた「井の頭公園検定」の通称である。
一時ブームとなった「ご当地検定」の一つで、毎年検定試験を実施して、1級から3級までの資格が合格者に与えられたらしい。
吉祥寺に引っ越した直後、私も一度この解説書を読んだことがあるが、知らない知識がいっぱい詰まっていて感心したことを記憶している。
今のマンションに来てからすでに4年半が経つので、当時よりは多少、井の頭公園の地理にも詳しくなったが、もちろん検定を受けたことはない。
せっかくなのでこの機会にもう一度、「いのけん」を読んで井の頭公園のことを勉強してみようと思い立ち、再びこの本を手に取ったというわけだ。
最初に、学びたいテーマはすでに決まっている。
植物の名前、特に樹木の名前を覚えることだ。
「いのけん」の中に、「樹木の概要」というページがある。
それによると、井の頭公園に生えている樹木は、145種9465本あるという。
この数字は、2011年当時のものなので、その後多少変化したかもしれない。
内訳は、針葉樹が21種1999本、落葉樹が90種3945本、常緑広葉樹が33種3294本で、特殊樹というのが1種227本あると書かれている。
特殊樹がどういうものなのかは書かれていない。
一番多いのはサワラという木だそうで、次いでトウネズミモチ、ヒノキ、イロハモミジ、ツバキと続く。
ヒノキ、モミジ、ツバキはわかるが、サワラやトウネズミモチとは果たしてどんな木なのか皆目見当もつかない。
この本「いのけん」は、基本的には問題集なので、このページにも関連した問題が載っている。
【井の頭公園の中で一番高い木はどれでしょうか?】
①ヒノキ ②ケヤキ ③イロハモミジ
「園内で探してみましょう」と添書きされている。
答えは、ケヤキ。
ひょうたん橋北側にあるケヤキが公園内で一番高い樹木だそうで、高さは35.0メートルだという。
その答えと写真を参考に、私も実際にその木を探してみた。
「ひょうたん橋」とは、井の頭池の東の端、神田川に流れ出る場所に架かる小さな石橋だ。
池の南側から眺めてみたが、位置関係が前後していることもあって、どの木が一番高いのか肉眼では判断がつきにくい。
「いのけん」の写真と見比べて、どうやらこの木が公園内で一番高いケヤキだと私は判断した。
根元あたりの二股に分かれている感じと、背後に白い建物が見えることが決め手だ。
以前住んでいた三鷹の家近くに何本もケヤキの大木があったので、この木がケヤキであることは間違いないだろう。
見上げると、確かに高い。
ただ、他にもたくさん背の高い木は存在する。
ひょうたん橋の北側にあるケヤキではあるが、正直これが本当に公園内で一番高い木なのか自信はない。
2011年以降に順位が入れ替わっている可能性だってあるだろう。
でもまあ、間違っていたとしても特段問題はないので、今回はこの木を一番高い木として認定したいと思う。
やっぱり、大きな樹木は見ているだけで気持ちがいい。
再開発エリアではお目にかかることのできない歴史が生み出す生命力である。
だから、こうした大木がたくさんあることだけで、井の頭公園には「都会のオアシス」としての価値があり、歩くと自然に癒される理由もそこにあるのだろう。
ちなみに、「いのけん」の同じページには、「公園内で最も太い樹木」というのも紹介されていた。
答えは、狛江橋南側にある「ムクノキ」。
幹周りが3メートル59センチあるという。
この木もついでに、探してみることにする。
狛江橋とは、ボート乗り場から南側に架かる短い橋のことだ。
その場所に行ってみると、遊歩道の脇にそれらしき樹木を見つけた。
根元のあたりにかけて幹が太く広がり、ひだのように複雑な形状になっている。
別の角度から見ると、確かに太い。
遊歩道の脇に立っている位置関係からも、「いのけん」に掲載されている写真と似ている気がする。
見上げれば、かなりの大木ではある。
しかし私は、「ムクノキ」と言われてもそれを識別することができない。
残念なことだ。
葉っぱは、子供たちが描くこれぞ葉っぱという形をしていた。
とりあえず写真だけ撮って家に帰り、ネットで照合してみる。
どうやら、間違いなくこれは「ムクノキ」のようだ。
ということで今回、この木を「井の頭公園で最も太い樹木」と認定したいと思う。
「ムクノキ」がどんな形なのか、少しは分かった気がする。
今後はこうして一本一本、樹木の名前や特徴を調べて、このブログに記録していくつもりだ。
私は、岡山に裏山を持っている。
その山に生えている樹木の名前ぐらい知りたいと思うのだ。
幸いなことに、井の頭公園の池の周囲には、「グリーンアドベンチャー」という植物観察施設が設けられている。
全部で50種類の樹木に番号が付けられ、それぞれにクイズ形式で樹木の名前や特徴が書かれているのだ。
それを教材にして、これから徐々に樹木の知識を身につけていこうと思う。
コロナ禍の井の頭公園。
遠くに行かなくても、地元で学べることはまだまだたくさんあるのだ。