<きちたび>ルクセンブルクはどうして「一人当たりGDP世界一」になったのか?

「世界で一番豊かな国はどこか?」

そう聞かれてまず思い浮かぶのは、アメリカ? それとも、サウジアラビアだろうか?

確かに桁外れのお金持ちはそうした国に多そうだが、国民の平均で比較するには「一人当たりGDP」という尺度がよく使われる。

国際通貨基金(IMF)が毎年発表している世界ランキングを見てみると・・・

2018年のデータをもとにまとめられた最新のランキングでは、日本は26位、アメリカが9位、サウジアラビアは意外なことに40位だ。

そして堂々の1位となったのが、ヨーロッパの小国「ルクセンブルク大公国」である。

一人当たりGDPは日本の3倍

この夏、そんなお金持ちのルクセンブルクを初めて訪れた。

その印象は、拍子抜けするほど中世の趣を残す綺麗な街だ。旧市街は世界遺産にも認定されている。

街の真ん中にあるダルム広場には飲食店が軒を連ね、昼も夜も多くの人で賑わっている。

国民一人当たりのワイン消費量は世界でもトップクラス、ミシュランガイドの星の数も一人当たりで換算すると世界一という美食の街でもある。

一方で、開発が進む副都心キルシュベルクに行けば、EU関連の施設や世界の金融機関が集まっていて、ヨーロッパの「首都」の一角を占めるルクセンブルクの別の顔を見ることもできる。

バスで少し走ってみると、のどかな田園風景が広がる。

フランスとドイツに挟まれ、戦争のたびに大国に翻弄されてきた国だが、その国土は実に美しい。

何より驚くのは、地方に行っても貧しそうな家を全く見ないことだ。どの家もゆったりと建てられて綺麗に手入れされている。

これが本当の豊かさなのか?

見上げるような高層ビルはなくても、そんな感慨を抱かせる国だ。

ルクセンブルクの国民一人当たり名目GDPは11万4234USドル。

日本の約3倍だという。

では、なぜルクセンブルクはそんなに豊かなのか?

郷土料理は豆のスープ

「ルクセンブルクを知るための50章」という本を読んでみると、昔から豊かだったわけではないようだ。

「食文化」という項目には、こんな記述がある。

ルクセンブルクの郷土料理は何かと聞かれると、これがなかなか難しい。かつて伯爵が城塞を築いたこの土地は、防衛にはうってつけだった分、農業には向いていない。寒さが厳しく土地がやせていて、農作物には恵まれなかった。

そこでひっさの友人に聞いてみると、昔ながらの家庭料理として豆のスープを教えてくれた。このやせた土地で唯一育ったのが豆だったということで、家庭では昔から食べられていたとか。「豆は暑い時期にしか育たないから、ルクセンブルクでは暑い時期に熱いスープを食べるしかなかったの」と彼女は笑う。

「ルクセンブルクを知るための50章」より

ルクセンブルクはもともと豊かな土地ではなかった。

フランスとプロイセンの緩衝国として、列強によって永世中立国となることが認められたのは19世紀。しかも、第一次、第二次大戦ではいずれもドイツによって占領された。

そんな国が豊かになった背景には、将来を見据えたしたたかな戦略があったようだ。

ルクセンブルクについては、こちらの記事もどうぞ。

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