パンドラの箱
今日、韓国の文在寅大統領が会見を開いた。
慰安婦問題の解決には「日本が真実を認識し、被害者に心から謝罪」することが必要と指摘した。
Embed from Getty Images多くの日本人がカチンときた韓国政府の慰安婦合意の見直し作業。
日本政府がそれを受け入れることはありえないだろうが、私個人としては鳩山総理が辺野古移転に関して「最低でも県外」と約束して対米交渉を行い、最終的に腰砕けになった醜態を思い出した。
世論に迎合した指導者が、「パンドラの箱」を開けてしまうことは歴史上よくあることだ。
日韓で様々な感情を呼び起こした今回の慰安婦騒動の最中、私もソウルの日本大使館前に置かれた「少女像」というものを見に行った。
ソウルの日本大使館
ソウルの日本大使館は、李氏朝鮮時代の王宮「景福宮」の近くにある。
迷いながらウロウロしていると、警察のバスが止まった工事現場のような場所があった。
「日本大使館」という看板や案内板がない。少なくとも私は気がつかなかった。警官たちがいなければ、気づかずに通り過ぎてしまったかもしれない。
知らなかったが、ソウルの日本大使館は2015年から建て替え工事が行われていて、実際に工事現場だったのだ。完成は2020年だという。
これが噂の少女像
そして・・・あった。従軍慰安婦の象徴とされる「少女像」だ。
大使館前の歩道にあると思っていたが、実際には道を隔てた反対側の歩道に置かれていた。
この少女像、韓国挺身隊問題対策協議会という市民団体が2011年12月に設置した。この団体は1990年、キリスト教団体や女性団体の連合体として発足、毎週水曜日に日本大使館前でデモ活動を続けてきた。
少女像脇の路上にはプレートが埋め込まれていた。
『1992年1月8日、日本軍「慰安婦」問題解決のための水曜デモが、ここ日本大使館前ではじまった。 2011年12月14日、1000回を迎えるにあたり、その崇高な精神と歴史を引き継ぐため、ここに平和の碑を建立する。』
このプレートには「少女像」とか「慰安婦像」という名称は使われていない。ちなみに、この少女像、韓国語では「平和の少女像」、英語では「Statue of Peace」と呼ばれているそうだ。
今や世界各地に建てられている少女像だが、この活動はここソウルに日本大使館前から始まった。それは日本政府に謝罪を求める水曜デモの1000回を記念するためのものだった。しかし、時が経ち様々な経緯を経て、次第に像の目的も変わっていったのだろう。
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