<きちたび>ソウル2泊3日の旅① 南北会談の直前にDMZ(非武装地帯)ツアーに参加してきた

成人の日の三連休を利用してソウルに行ってきた。

予約した頃には、北朝鮮危機が深刻さを増し、戦争の可能性が真面目に論じられていた。ところが、年明けから一転して南北融和の動きが噴き出してきた。同時に従軍慰安婦問題でも韓国政府が新たな方針を打ち出すなど、日韓関係にも変化が現れ始めた。

期せずして、いいタイミングでのソウル行きとなったのだ。

DMZツアー

まずは2日目、1月7日の午前に参加したDMZツアーについて書くことにする。

DMZとは、朝鮮戦争の休戦に伴い38度線に設けられた軍事境界線の南北それぞれ2キロ、合わせて幅4キロの緩衝地帯である。

当初板門店に行きたいと思ったのだが、ツアーでしか行けないことがわかった。しかし・・・日曜と月曜はツアーがない。私の日程は土日月。土曜は昼前の到着なのでツアーには間に合わない。私は1984年に北朝鮮側から板門店に行ったことがあり、今回は断念する。

そして紆余曲折の末、一番ポピュラーなDMZ半日ツアーに参加することになった。料金は5万2000ウォン(約6500円)だ。

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集合場所はロッテホテルソウルの2階にあるツアーデスク。朝8時の集合時間なのでまだ人気がない。ツアーデスクといってもホテルの人は対応してくれるわけではない。ただそこを様々な旅行会社が集合場所として利用しているだけで、待っているとツアーガイドが迎えに来てくれる。

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ホテルの前に止まっている大型バスに。英語の客は前方、日本語の客は後方に座る。2人のガイドが搭乗し、英語と日本語で交互に説明する。

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日本語ガイドの李さん。日本の植民地時代から朝鮮戦争、さらには最近の北朝鮮兵士の亡命事件、南北会談の動きまで早口の日本語で説明してくれた。この道10年。ガイドになるためには公式の資格を取らなければならないそうだ。

英語の女性ガイドさんは常に笑いながら説明していた。韓国の人は「危機慣れ」しているとはよく聞くが、本当に緊迫した雰囲気は微塵ほども感じられない。

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ソウルから北西方向へ50分ほど走った頃、李さんが窓から北朝鮮領が見えるという。

この日の朝の気温は氷点下7度。バスの窓ガラスが曇りよく見えない。帰路に撮影した写真がこちら。

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イムジン河の向こうは北朝鮮。川岸には鉄条網が続き・・・

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一定間隔で韓国側の監視塔が並んでいる。こうした景色、一般の人たちには新鮮だろう。

臨津閣国民観光地

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ソウルを出てから1時間あまり、バスが最初に止まったのは「臨津閣国民観光地」。臨津閣は「イムジンガァ」と読む。イムジン河のイムジンだ。

上の写真は「望拝壇」。故郷を失った人々のために1985年に建てられた祭壇だという。

臨津閣にはこのようなモニュメントがたくさんある。2005年の世界平和祝典をきっかけに、平和の大切さと統一の重要性を知らせるために平和公園として整備された。

軍事境界線からは7キロ。「自力で行くことができる北朝鮮に最も近い場所」と言われ、ここまではマイカーでも訪れることができる。しかし、ここより先は認定を受けたツアーに参加するしかないのだ。