<きちたび>妻の還暦を祝う旅① 竹内まりあの実家である出雲の老舗「竹野屋旅館」に泊まる

旅行といえばいつもは私が行き先を決める。妻は一緒に付いてくるか、来ないかを決めるだけ。ただ今回は妻からのリクエストだった。

「出雲大社に行ってみたい。一度も行ったことがないの。」

私も行ったことがなかったので、即座に同意した。9月のことだ。

さらに妻から・・・

「出雲大社の近くに竹内まりあの実家の旅館があるらしいんだけど」

さっそくネットで調べてみた。すぐに見つかった。

「竹野屋旅館」。創業140年の老舗旅館ながら、最近リニューアルしたばかりらしくホームページの写真はとてもきれいだった。しかも、出雲大社から徒歩1分。目の前だ。

妻の誕生日あたりの空室状況を調べるとまだ空きがあったので、その場で予約した。

アクセスを調べると、出雲縁結び空港が最寄りでそこから出雲大社直行の空港バスが出ているらしい。マイレージで予約しようと思って調べてみると、なぜか異様に混んでいる。マイレージは搭乗日の2ヶ月前からしか予約できないが、それを待っていると予約できない可能性があると判断した。

今回は妻の「還暦祝い」。一生に一度のことなので、ケチケチせずに買うことにした。

そんな感じで電撃的に決まった「妻の還暦を祝う出雲大社の旅」。図書館でガイドブックなどを借りて来て簡単に予備知識も仕込んで初めての出雲に旅立った。

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初めて降り立った「出雲縁結び空港」。ヤマタノオロチと戦うスサノオノミコトがお出迎え。さっそく出雲神話の世界、全開だ。

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羽田を10時15分に出発するJAL279便に乗ると、出雲空港に11時40分に到着し、その10分後、出雲大社行きのバスが出発する。片道880円だ。

そして40分ほどで出雲大社の正門前に着いた。これは便利だ。

まずは宿に荷物を置くことにする。

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出雲大社正門前「竹野屋旅館」。バス停から歩いて1分もかからない。

創業140年の名にふさわしい立派な構えだ。

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入り口は自動扉になっている。

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玄関を入ると右手に下駄箱。

そして・・・

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正面は畳敷きの3部屋ぶち抜きで、その奥にフロントがある。玄関を入った時のインパクトはなかなかのものだ。

チェックインは午後3時からだが荷物は預かってくれるという。

ついでに館内を少し拝見する。

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トビーに置かれたソファー。ここでチェックインの手続きを行う。

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いかにも老舗旅館といった額もあれば・・・

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竹内まりあさんの書もさりげなく飾られていた。

『強く結んだ縁の糸が未来の二人つないでく』

さすが縁結びの神様、出雲大社の門前旅館。なかなか商売上手です。

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そして本館2階に上がる階段の脇には、こちらもさりげなく・・・

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「TRAD」のアルバムジャケットはこの旅館のこの階段で撮影されたらしい。

やはりなかなか商売上手だ。ファンにはうれしいサプライズなのだろう。

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そしてロビーの脇にはお庭。明るい日差しが縁側に差し込んでいる。

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庭の奥にも建物が続き、外から見る以上に大きな旅館のようだ。

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オススメの出雲そばのお店を2つ教えてもらい一旦宿を出た。

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出雲で一二を争うおそば屋さんとして勧められたのが「荒木屋」。江戸後期創業、約220年続く出雲一の老舗だ。さすがに店の前は待つ人たちでいっぱいだ。

そしてもう一軒紹介されたのが・・・

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正門前バス停近くの「田中屋」。創業は昭和47年。歴史は浅いが店もリニューアル、英語のウェブサイトも作成するなど進取の精神のあるお店のようだ。

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こちらも人気店で30分ほど待ってようやく入店できた。

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店内は真新しく清潔だ。

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注文したのは「三色割子」(1080円)。出雲といえば割子そばだ。

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それぞれ温泉卵、とろろ、天かすが載せられている。

さすがに出雲で一二を争うと勧められただけあって、文句なく美味しいそばだ。そばが無くなり次第終了だそうなので早めに伺った方が良さそうだ。

食べログ評価3.58、私の評価は3.60。

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ついでながら待ち時間の間にのぞいた「ご縁横丁」についても触れておく。

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ぜんざいやしじみ汁、さらには各種お土産物屋が軒を連ねる真新しい横丁で、どこの観光地にもありそうな我が家的にはあまり好きではない類の場所なのだが、ここで意外な話を聞いた。

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この横丁ができてまだ5年ほどらしいが、その頃まで出雲大社の門前は寂れてお店がほとんどなかったのだそうだ。

そこで2013年の「平成の大遷宮」に合わせ、有志が集まってこの横丁を立ち上げたのだという。

伊勢神宮は20年に一度本殿を建て直すが、出雲大社の場合その遷宮が60年に一度なのだ。新しい本殿ができた時には多くの人が訪れるが時が経つにつれ参拝客が減り門前も寂れていくという構図があるようなのだ。

なぜ伊勢のように20年おきにしなかったのか? やはり出雲は遠いので伊勢ほど人が集まらず結果として建て替えのお金が貯まるのに時間がかかるのだと私なりに推理した。果たして実際のところはどうなのだろう?

そんな出雲大社の話は別に書くとして、再び竹野屋旅館の話に戻る。

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参拝を済ませて宿に戻りチェックイン。案内された部屋は本館ではなく廊下を少し歩いた奥にある3階建ての新館だった。

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奥にも別の庭があり、窓から趣のある建物が眺められる。

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奥にも竹内まりあさんの詩が飾られている。

『杵築の社に神々集いて縁結び栄える神話の里よ』

書もお上手である。

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なぜかたくさんの亀が飾られていた。ネットで調べても意味がよくわからない。ただ出雲大社の「神紋」に亀甲の六角形が使われていることを知った。これと関係があるのだろうか?

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私たちの部屋は3階のスタンダードルーム。ちょっと広めの和室に風呂トイレが付いている。

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まだ内装もピカピカで気持ちがいい。このトイレの壁紙は、竹内さんの趣味だろうか。それともご主人の山下達郎さんチョイス?

唯一惜しむらくは窓の外の光景、目の前の建物の屋根が見える。

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それでもサッシを開けると、山が見え出雲大社の鳥居も見える。

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部屋を確認したら再び外出。戻ることにはすでに日が暮れかけていた。

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竹野屋の夜景は一段と美しい。これぞ日本旅館といった風情がある。

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江戸時代の旅人もこんな旅館の明かりにきっと癒されたのだろう。現代のビジネスホテルにはない優しい明かりだ。

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晩ご飯は午後6時にお願いした。大浴場で冷えた体を温めてから、1階の食堂でいただく。

妻の還暦祝いと伝えていたので、シャンパンを1杯プレゼントしてくれた。妻は飲めないので代わりに地元のぶどうジュースで乾杯。

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夕食のコースはいきなり蟹から始まった。

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「ずわい蟹 錨防風 レモン 土佐酢」

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「季節の珍味 九種盛り」

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「縁結び盛り 香り物」

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「浜取れ鮮魚四種盛り あしらい」

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「蕎麦サラダ 紅葉おろし 岩海苔 蕎麦出汁ドレッシング」

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ここで日本酒を注文。「ヤマサン正宗 誘一献(特別純米)」一合(850円)。

出雲の蔵元「酒持田本店」が作る特別純米酒だ。サイトにはこんな説明書きが載っていた。

『日本酒発祥の地と言われる島根出雲の地酒・純米酒・古酒・秘蔵酒のヤマサン正宗は純米大吟醸、大吟醸酒、吟醸酒など日本酒蔵元・酒持田本店の銘柄酒。加藤杜氏と蔵人が手作りにこだわりヤマサン正宗の銘柄で親しまれています。』

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「のどぐろ塩焼 はじかみ」

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「湯葉包み オクラ 紅葉麩 鼈甲餡」

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「出雲尼子和牛肉 陶板焼 季節野菜」

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「こしひかり」「赤だし汁 魚麺 なめこ 小口葱」「大根・人参酢漬け 煮昆布 芥子漬け」

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そして最後は「水菓子 二種盛り」。

本当に美味しい夕食で、妻も私も大満足だった。普段少食の妻がすべて平らげてしまった。

食べ終わった時はそうでもなかったのだが、時間が経つとお腹がパンパンになった。

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夕食後、ロビーの土産物コーナーを覗く。そこには竹内まりあグッズの数々。

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夫の山下達郎グッズもいろいろある。

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そして竹内まりあ作詞・作曲、山下達郎編曲「愛しきわが出雲」というCDも売られていた。

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さらには竹野屋オリジナルのTシャツや、やはり竹野屋オリジナルの「鶴亀コーヒー」なるものも置かれていた。やはり商魂たくましい。

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部屋に戻ると、お約束のように布団が敷いてある。人手不足の昨今、こうしたサービスも大変だろう。

久しぶりに畳の上で寝る。なんか心が解放されていくようだ。

夜の出雲大社を探検する野望もすっかり萎え、風呂にもう一度入る小さな夢も果たせぬまま、その夜は眠りについてしまったのだった。

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翌朝は6時半に起きて一人で朝の出雲大社に出かけた。

門前の通りにはまだ街灯がともり、人影もまばらだ。

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朝の参拝を終え、一風呂浴びると雨が降り始めた。どうやら予報が外れたようだ。

 

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朝8時から朝食。食堂に降りると素敵な朝ごはんが待っていた。

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「ご縁盛り(小芋・牛蒡・長芋など) 出雲の縁起の良い季節野菜と縁結び野焼き」

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「鶴山・亀山見立て 昆布旨煮 鶴大根・亀人参」

 

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「かい餅 塩おはぎ」

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「焼物 出し巻 他」

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「サラダ ドレッシング」

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「つるつるわかめ」

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「小鉢 四品盛り」

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「蜆汁 小口葱」

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最後は「デザート 二種盛り」。

どれも美味しく、大満足の朝ごはん。やはり竹内さんの監修なのだろうか。どこか垢抜けている気がする。

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食後、9時に開館する「古代出雲歴史博物館」に行くため、妻を残して私は宿を出た。

もっとゆっくり過ごすべき旅館だと思いながら、見たいものもいろいろある。でも、いい宿は旅を豊かにしてくれる。

竹野屋旅館は間違いなく「旅を豊かにしてくる宿」である。

宿泊費は、2人で4万824円だったが、その価値はあると思う。

じゃらんネット評価4.5、私の評価も4.5。

 

 

 

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