年金事務所

60歳の誕生日まで半年を切った。妻に誘われて、初めて年金事務所というところを訪れた。

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武蔵野年金事務所は、中央図書館の近くにあった。通常は土日休みなのだが、月に一度、土曜日に相談を受け付けている。それがたまたま昨日だった。

私は過渡期の世代に属している。支給開始年齢が60歳から65歳に段階的に引き上げられている途中に位置する。私の場合、63歳から一部支給が始まり、65歳から満額受け取ることができる。

誰がどう考えても、年金制度には明確な世代間格差がある。これだけ目に見える格差が存在しながら社会不安が広がらない状態は、若者たちに感謝しなければならない。学生時代、社会の矛盾に怒り抗議行動を繰り広げた団塊の世代は、今では「既得権者」としてこの世代間格差に目をつぶっている。私たちの世代も、相対的には既得権者の立場に属すことは改めて心に刻んでおかねばならないと思う。

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さて、年金を受け取るための手続きは、受給年齢の半年前からできる。だから、私の場合はまだ先の話だ。それではなぜ、年金事務所に行ったかというと別の相談があったからだ。

私は1992年から96年にかけて特派員としてパリに赴任した。その際、フランスでも社会保険料を負担していた。当時私は年金などにまったく興味がなく、今でも詳しい知識はないのだが、去年一緒にパリで働いた後輩から連絡をもらった。フランス政府から年金がもらえるというのだ。

妻が電話で年金事務所に問い合わせた時、受給開始年齢の半年前から手続きができると言われたようなのだ。ひょっとすると60歳からもらえるかもしれないというので、一応ちゃんと確かめることにしたのだ。

武蔵野年金事務所の担当者は、時間をかけて調べてくれた。残念ながら、土曜日ということで海外の年金を扱うセクションが休みで詳しいことはわからなかったが、後日調べて連絡をくれることになった。対応はとても丁寧だった。私が番組をやっていた頃、年金問題を徹底追及していた。社会保険庁のずさんさが明るみに出て、日本年金機構に生まれ変わった。あの頃に比べれば、少なくとも私たちに応対してくれた係員は良心的だった。

どうやらフランスでも年金の支給年齢は段階的に引き上げられているようだ。世界的に平均寿命が伸び、年金財政はどこもピンチを迎えているのだろう。それだけ戦争で死ぬ人が減っているということなのだろう。

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幸せなことに、我が家では今、大きな心配事がない。

きのう珍しく長男が一人で我が家に来て昼飯を食べて帰った。ウェブデザイナーとして個人で会社を営んでいるが、仕事は順調のようだ。

次男はこの夏、趣味のフットサルで足を痛め手術した。1ヶ月も会社を休むらしいが、営業成績はいいので認めてもらえたようだ。

二人とも家族と仲良く過ごしている。

三男は仕事にも少し慣れて、初めての夏休みをもらい彼女とタイに旅行に出かけている。

田舎の親たちも、少しずつ年はとるが、まだ自分の力で生活してくれている。大きな病気もなく、暑い夏を乗り切ってくれた。

還暦へのカウントダウン。平穏な日々に感謝しながら、やりたいことをできる時にどんどんやっていきたいと思う。

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