孫の枝豆

朝、何気なく井の頭公園を見下ろして驚いた。

池がいつのまにか緑色になっている。

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先週は気にならなかったので、つい最近のことだろう。

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アップで見ると、池の表面に緑色の絵の具をまいたようだ。

おそらくこれが「アオコ」というものだろう。ネットで調べると、その正体は植物性プランクトンということらしい。ウィキペディアにはこうある。

『アオコ青粉)とは、富栄養化が進んだ湖沼等において微細藻類(主に浮遊性藍藻)が大発生し水面を覆い尽くすほどになった状態、およびその藻類を指す。粒子状の藻体がただよって水面に青緑色の粉をまいたように見えることから、「青粉(あおこ)」と呼ばれるようになったと考えられる。』

このまま続くと、水草や魚類にも悪影響を及ぼすようで、ちょっと心配だ。

そんな土曜日、小学3年生の孫が一人で泊まりに来た。毎年恒例の親離れ研修だ。

カードゲームの「UNO」で2時間ほど遊んだ後、妻が夕飯の支度をしている間に、画用紙を持ち出して、色鉛筆で絵を描き始めた。最初は部屋にあるものをさささっと描いていく。

ちょっとデフォルメしたイラスト風で悪くない。線に躊躇がないのがいい。

私はそばにあった枝豆を指差し、「これを描いて」と頼んでみた。

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9歳の孫は「わかった」と言って、緑の色鉛筆を5種類ほど使い分け、丹念に枝豆をスケッチしていく。

色鉛筆を何度も何度も持ち替えて、微妙なグラデーションで仕上げていく。

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豆の膨らみが確かに3つある。正直、驚いた。

この子の父親、すなわち私の長男はウェブデザイナーとして生計を立てている。基本的には家で仕事をしていて、小さい頃から一緒に絵を描いて遊んでいた。父親の技法をいつのまにか見よう見まねで覚えてしまったようだ。

この枝豆は、我が家の永久保存版になることは間違いない。

驚いた私は、もっと難しそうな題材を孫の前に置いてみた。「これも描いてみて」。

それはガラスのコップに挿したリンドウの花だった。

孫は茎の部分から丹念に描き始め、徐々に葉っぱ、さらに花へと、下から上に描いていく。リンドウの花に顔を近づけたり離したり、じっと見つめたかと思うと、今度は描きながらちらちらと上目遣いで花を観察したりと真剣な表情で集中している。

次第にリンドウの花が紙の上に映し出されていく。

その様子を少し動画に収めた。

私が適当にリンドウを置いたため、構図的にはちょっと偏ったものになってしまったが、文句も言わず一心不乱に描く姿には、人間が本来持っている純粋さを見る思いがした。

完成した絵がこちらだ。

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「ばあば、この絵を取っておきたいから今日の日付を書いておいて」と妻が言うと、名前と日付、ついでに「9歳」と言う年齢まで署名した。

枝豆に比べると、ちょっと難しかったようだが、こちらも我が家の永久保存版になることだろう。

本当に子供というのは、大きな可能性を秘めた宝物だ。

この子たちが成人する頃の日本はどんな国になっているのだろうか。

できるだけ子供一人一人に合った育て方ができるようになれば、この国ももっともっと楽しい素敵な社会に成長できるだろう。

私の老後は、少しでもそんな若者作りに貢献してみたい。

実に、楽しみである。

 

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