「SUUMO住みたい街ランキング2017」が発表され、吉祥寺が1位に返り咲いた。
この「住みたい街」の調査って、最近いろんなのがあって、それぞれ順位が変わるのでよくわからなくなっている。先日、「吉祥寺がベスト10圏外になった」とニュースになっていたのは何の調査だったのだろう。
ということで、いつも「ふーん」というだけで、ちゃんと細かく気にしたのことのなかったこの「住みたい街ランキング」なるものの正体を調べてみることにした。
今回発表されたランキングは、リクルートが2010年から始めたいわば老舗的なもの。今回が7回目だ。発表文にはこう書かれている。
『株式会社リクルート住まいカンパニー(本社:東京都中央区 代表取締役社長:野口 孝広)では、関東 (東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)に居住している人を対象に実施したWEBアンケート形式 による「みんなが選んだ住みたい街ランキング2017 関東版」を集計しましたので、概要をご報告いた します。』
そして結果はこちら。
順位 | 駅名 | 得点 |
1位 |
吉祥寺 (JR中央線) |
586 |
2位 |
恵比寿 (JR山手線) |
511 |
3位 |
横浜 (JR京浜東北線) |
460 |
4位 |
目黒 (JR山手線) |
366 |
5位 |
品川 (JR山手線) |
346 |
6位 |
武蔵小杉 (東急東横線) |
321 |
7位 |
池袋 (JR山手線) |
319 |
8位 |
中目黒 (東急東横線) |
312 |
9位 |
東京 (JR山手線) |
299 |
10位 |
渋谷 (JR山手線) |
274 |
この調査では、2010年の開始以来、5年連続で吉祥寺が首位だったが、昨年初めて恵比寿に抜かれた。これはちょっとしたニュースになった。そして他社のランキングでも、吉祥寺は順位を下げて、近頃では吉祥寺の凋落が印象付けられていた。
SUUMOの調査方法が書かれている。
調査対象は、20歳から49歳の男女。この年齢というのは、結果に影響しそうだ。
しかも、独身、DINKS、ファミリーの3カテゴリーに分け、それぞれに当てはまる男女それぞれ666人、計3996人を調査した。
質問は、「Q.あなたが、今後「住んでみたいと思う街(駅)」はどこですか」というシンプルなもの。
最も住んでみたい街(駅)に3点、2番目に住んでみたい街に2点、そして3番目が1点だ。そしてその合計点を計算し、ランキングにしたのが上の表となった。
1位の吉祥寺は、10位の渋谷の2倍以上の得点を集めていることがわかる。
ちなみに、以前住んでいた三鷹は、昨年の21位から今年28位に順位を下げた。
男女別のランキングというのも出ている。
今年は男女とも吉祥寺が1位だ。昨年は女性は1位だったが、男性は恵比寿に次ぐ2位だった。
ライフステージ別で見ると、独身とDINKSは恵比寿に次いで2位だったが、ファミリーでは吉祥寺が1位だった。
女性とファミリー層の強い支持が、吉祥寺人気の源のようだ。
吉祥寺が首位に返り咲いた理由として、主催者は次のように分析している。
『「吉祥寺」を舞台にした人気漫画「吉祥寺だけが住みたい街ですか」がテレビド ラマ化されたり、井の頭公園の池の水抜き作業「かいぼり」のニュース、街紹介番 組で3月に井の頭公園が特集されるなど、自然環境面でのメディア露出があった。 日本初、首都圏初という初物の飲食店出店も続いている。 セグメント別でみると得点を伸ばしたのは、1.東京都民 2.女性 3.ファミ リー層。 2017年春には商業施設「コピス吉祥寺」がリニューアルオープン、VRシアターも 備えるシネマカフェがオープン予定。井の頭公園は2017年5月に開園100周年で記 念事業も進行中。』
ちょっとこじつけのような気もする。
それでも吉祥寺の住民としては、「住みたい街」と言われるのは悪い気はしない。そして何より、実際に住んでいて本当に住みやすい街だ。恵比寿や品川よりもヒトを感じる。普段着でサンダルで気ままに出歩ける。ヒトが作り、ヒトが楽しむ街なのだ。